すぐに満室・ずっと満室は夢ではない!
賃貸アパート・マンション経営を始めるからには、すぐに全部屋が満室になり、ずっと満室の状態が続くことが理想的です。
しかし現実は、それほど甘くないことは言うまでもありません。
確かに、「すぐに満室」「ずっと満室」は、多くの賃貸オーナーにとっては夢のようなことだと思うかもしれません。
しかしまったく不可能かというと、そうとは言いきれません。入念に相応な準備を整え、着実に準備したことを実行していけば、夢を実現させることは可能なのです。
今回は、これまで私がかかわった土地活用として賃貸経営を始めた事例を参考にして、賃貸オーナーにとって夢である「すぐに満室」「ずっと満室」を実現させる秘訣を探ってみることにします。
すぐに満室を実現させるには?
賃貸アパート・マンション住宅が完成し、建築代金を支払って建設業者から建物の引渡を受けました。
さあ、これから、賃貸経営がスタートすると思っている人は、すでに乗り遅れているのです。
引渡後に入居者の募集を始める場合、いくら経営手腕を発揮しても、すぐに入居希望者が殺到し、どんどん契約が成立するということはまず不可能です。
現実的には、ぼつぼつと入居希望者が現れ、全部屋が満室になるのは、早くて数ヵ月、遅ければ半年以上かかることも珍しくありません。
賃貸経営を始めても、思うようには満室にならないのが現実です。言い換えれば、建物の引渡直後から家賃の最大収入を得ることは、至難の業なのです。
しかしながら、満室にするのに募集開始から半年以上かかるということは、遅くとも半年前から入居者の募集を始めれば良いわけです。
何も賃貸住宅が完成して引渡を受けなければ、入居者の募集をしてはいけないという決まりはありません。
賃貸住宅の設計が完了し、建築工事を発注した時点で入居者の募集を開始すれば、「すぐに満室」を実現させることは、決して不可能ではありません。
それには、早めに家賃・礼金・敷金・共益費などの入居に必要な費用や入居予定日を決めておく必要があり、企画段階から早期募集を想定した計画を立てる必要があります。
一般的には、建物が完成して引渡を受けてから仲介業者や管理業者を探して業務を委託し、それから入居者の募集を始めることになりますが、これでは、満室になるのはいつになるのか分かりません。
満室、つまり家賃の最大収入を得ないうちに銀行ローンの返済が始まりますので、賃貸オーナーには多難のスタートになり、「やっぱり賃貸経営は大変だ」と思ってしまうのも無理はありません。
「すぐに満室」を実現させる一番のポイントは、企画段階から早期募集を想定した計画を立てることです。
建築工事が始まると同時ぐらいのタイミングで募集を始め、おおむね半年前からとりかかります。
まだ現場は足場が組まれ、シートで覆い隠されている状況で、コンクリートの打設中でも、上棟していないときでも、借りたいと申し込んでくれる入居希望者はいるはずです。
外観や室内のパース図、設備や内装の仕様書、間取りの平面図、立面図などがあれば、入居者は判断できるのです。
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すぐに満室にできる8つの秘訣
すぐに満室を実現させる方法はいろいろと考えられます。
比較的簡単に誰でもできることを8つの秘訣としてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
1.早めに管理体制を決めて、募集業務を委託する
まず賃貸住宅の管理体制を決めなければなりません。
入居者の募集業務から日常の管理業務まで、管理業者に委託するのが一般的ですが、募集業務のみを委託し、管理業務をオーナー自らが行う場合もあります。
いずれにしても、募集業務を外部に委託するのであれば、早めに業者を見つけて委託契約を結び、募集業務を委託しておく必要があります。
2.入居者の募集に必要な事項をすべて決めておく
入居者の募集を始めるにあたっては、募集に必要な事項をすべて決めておかなければなりません。
まずは賃貸住宅の名前です。
お洒落なネーミングは、入居者を惹きつけます。
次に家賃・礼金・敷金・共益費などの入居に必要な費用です。これらの費用は、入居者がもっとも関心のある事項です。
さらに入居可能日。いつ引っ越せるのかも、入居者の関心事項です。
明確に決められない場合は、「○月上旬」というようなおおよその予定日でも構わないでしょう。
3.現地看板で周辺住民に告知する
周辺住民にこの場所に賃貸住宅が建つことを告知するために現地に看板を設置する必要があります。
告知する内容は、完成した建物のパース図、間取り、家賃、入居可能日などです。
あまり多くの情報を入れることができませんが、少なくともこの場所に賃貸住宅が建ち、これから入居できることだけは、告知しなければなりません。
交通量のある道路に面している場合は、看板の代わりに工事現場を覆い隠すシートの上に巨大なポスターのようなものを貼りつけるのも、通行人の目を惹いて効果的です。
4.パンフレットやチラシを作成する
入居者の募集には、パンフレットやチラシが不可欠ですから、これらも早めに作成しておく必要があります。
パンフレットの内容は、
- 賃貸住宅の名前
- 外観や室内のパース図
- 間取りの平面図
- 主な設備や内装の仕様書
- 入居に必要な費用(家賃・礼金・敷金・共益費など)
- 入居可能日
- 主な禁止事項
などです。現地看板よりも詳しい情報を提供することができます。
5.建築工事が始まれば、すぐに募集を開始する
入居者の募集を委託した仲介業者に建築工事が始まった時点で募集活動を開始してもらいます。
通常は「マイソク」と呼ばれる物件広告資料を作成し、チラシや新聞の折込広告を近隣に配布します。
「レインズ(REINS Market Information)」の不動産流通標準情報システムに登録して、全国の不動産業者に対して物件情報を公開し、幅広く入居希望者を募ります。
なお、レインズとは、国土交通大臣が指定する不動産流通機構が運営・管理する不動産流通標準情報システムのことです。
6.賃貸物件情報サイトに登録する
インターネットが普及した今日、賃貸物件を効率的に探すのに、賃貸物件情報サイトがよく利用されています。
希望する「最寄り駅」「家賃」「間取りタイプ」「建物種別」などの項目を入力して検索すると、合致する物件が直ちに表示され、とても便利です。
これから入居者を募集するのであれば、このようなサイトに登録することが不可欠です。
比較的よく使われている賃貸物件情報サイトを紹介します。少なくとも次の5つのサイトに登録することをおすすめします。
なお、この登録は、仲介業者が行ってくれることもあります。
- 「SUUMO(スーモ)」
- 「HOME’S」
- 「スマイティ」
- 「ホームアドパーク」
- 「CHINTAI」
7.モデルルームを公開する
分譲マンションでは、工事現場とは別な場所にモデルルームを設置して募集活動を行いますが、賃貸で同じようなことをやるとなると、費用がかかりすぎます。
そこで、建築業者泣かせになりますが、全体の完成前に、例えば、1階の1部屋だけを早めに内装を仕上げてもらい、モデルルームとして入居希望者に公開するのです。
百聞は一見にしかず、実物を見てもらえれば、募集には効果絶大です。
8.早期申込みにプレミアを付ける
早期申込みは、賃貸オーナーに大きなメリットがあるものの、借り手にはあまりメリットがありません。
それどころか、あとになってもっと良い物件が見つかる可能性がありますので、早期申込みは借り手にとってデメリットしかありません。
そこで、そのデメリットを解消するぐらいインパクトのあるプレミアを早期申込みに付けるのです。
例えば、礼金や仲介手数料の割引、一定期間の家賃の値引き、家具・家電の無料貸出などです。
ずっと満室を実現するには?
賃貸アパート・マンション住宅は、木造で22年、鉄筋コンクリート造りで47年が法定耐用年数です。
実際には、耐用年数をとっくに過ぎた建物でも賃貸されていることが珍しくありません。借り手さえいれば、貸す側には願ってもないことです。
ところが現実問題として、多くの賃貸住宅で空室が増え、頭を抱えている賃貸オーナーが少なくありません。
空室が増えることで家賃収入が減ることだけでも大きな打撃ですが、もっと深刻なのは、ローンの返済がままならなくなることです。
さらに空室の増加は、実際に相続が発生したときに貸家建付地や小規模宅地等の特例が適用されないおそれが生じますので、とても厄介な問題に発展します。
賃貸住宅の入居者にはさまざまなタイプがいますので、ずっと住み続けてもらうことは簡単ではありません。
その意味では、賃貸住宅では入居者の入れ替わりはつきものといえます。とはいえ、なるべく空室期間は短い方が良いわけですから、賃貸オーナーとしては、「ずっと満室」が理想的なのです。
それでは、いったいどのようにすれば、「ずっと満室」を実現できるでしょうか?
- 退去の連絡が入れば、すぐに募集を始める。
- 退去後はすぐにリフォームをして次の入居に備える。
- 新築に劣らない内装や設備を維持するための投資を惜しまない。
いろいろな対策が思い浮かびます。これこそ賃貸オーナーとしての知恵の見せどころだともいえます。
賃貸住宅を建てることで相続税の節税効果があったとしても、それで終わるわけではありません。
その後も長期的な経営を継続しなければなりません。つまり賃貸住宅は建てて終わりではなく、「ずっと満室」を保つ不断の努力が必要なのです。
ずっと満室を保つ6つの秘訣
私が過去にかかわった事例から、「ずっと満室」を実現するための6つの秘訣をまとめました。誰でも簡単にできることですから、ぜひ参考にしてください。
1.定期的なメンテナンスを怠らない
賃貸住宅での快適な生活を維持するためには、建物の定期的なメンテナンスが不可欠です。
特に建物は、定期的なメンテナンスを施すことで、長もちさせることができます。不具合が出たときに直せば良いという発想では、建物の老朽化を速めるだけです。
3年~5年で定期的な点検を行い、10年~15年で定期的な修繕を行っていれば、少なくとも法定耐用年数内に大規模なリフォームをしなくても済みます。
特に賃貸住宅では、外観の見栄えが大切ですから、外壁には万全を期す必要があります。
もちろん定期的なメンテナンスには、それ相応の費用がかかりますので、普段からメンテナンス費用を積み立てておく必要があります。
2.退去時には必ずリフォーム・クリーニングを行う
よほどの短期間の入居でない限り、入居者が退去した際は、必ずリフォームとクリーニングを行う必要があります。
リフォームは、壁紙と幅木の貼り替え、壊れた箇所の補修などですが、10年以上入居していた場合は、洗面台やバスタブ、トイレの洗浄機能付き便座などを交換する必要があります。
クリーニングは、フローリングのワックスがけ、排水管の洗浄、換気扇の清掃などを行って室内を劣化させないようにします。
3.快適な居住環境を維持する
日常入居者が快適に暮らせるように居住環境を維持することも重要なことです。
共用部分の清掃や点検を欠かさず行い、廊下の電灯が切れた状態のままであるようなことは避けなければなりません。
メールボックス、ゴミ置き場、駐輪場など、乱雑になりやすいところは特に気を配る必要あります。
入居者の募集には、見た目がとても大切ですから、エントランスの清掃を怠らないようにしましょう。
4.定期的に設備を最新なものに更新する
今や陳腐化した設備では、入居者を惹きつけることができません。
建物の耐用年数は、木造で22年、鉄筋コンクリートで47年といわれていますが、これは建物の躯体の寿命のことです。
室内の設備は、ものによっては数年、長くても15年しかもちません。
費用がかかりますが、定期的に設備を最新のものに更新しておけば、募集にはとても有利になります。
- 「必須の設備」
- 「できれば入れたい設備」
- 「差別化のポイントになる設備」
- 「入居者を惹きつける魅力のある設備」
については、「賃貸住宅のコンセプトづくりのポイント」で詳しく解説していますので、参考にしてください。
5.退去後はロスなく次の入居者に備える
退去してからリフォームやクリーニングを手配しても、すぐには対応してくれないことがあります。
特に賃貸住宅の入退去が重なる2月~4月の時期は、すぐに業者を手配することが難しくなります。
退去の連絡を受ければ、直ちにリフォームやクリーニングを手配するようにしましょう。
少しでも退去から次の入居までの期間を短くできれば、家賃収入にもつながります。
6.退去連絡があれば、すぐに募集を開始する
退去の連絡を受ければ、退去前であっても、すぐに仲介業者に依頼して募集活動を始めてもらいます。
物件広告資料を作成し、チラシや新聞の折込広告を近隣に配布し、少しでも早く次の入居者を見つけるようにします。
退去前に次の入居希望者が現れたときは、今の入居者に協力してもらって、部屋の内覧ができるようにしておくと良いでしょう。