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貸地・借地の活用法

貸地・借地問題を解決する6つのパターン

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貸地・借地問題を解決する6つのパターン

 

 

地主の悩み

 

土地の所有者といっても、貸地を所有するオーナーには、厳しい現実が待ち構えています。

借地権の付いた貸地は、「底地」と呼ばれ、所有者であっても借地権を無視して土地を利用することができません

つまり所有者が土地を借地権付きで貸す権利である「底地権」は、借地人の「借地権」と合わさって、はじめて完全な所有権と同じ価値になるからです。

このような底地のオーナーは、次のような悩みを抱えているのが一般的です。

 

  1. 底地の投資効率はほとんどゼロに近い。
  2. 固定資産税や都市計画税などの税金が上がっても、それに応じた地代の値上げができない
  3. 相続税評価額が高騰し、この状態で相続が発生すると、莫大な相続税を負担しなければならない。
  4. 底地を売却しようとしても、借地人に買いとってもらう以外に第三者に売却することが難しい
  5. 相続が発生し、底地が複数の相続人で共有化されると、問題が複雑化する。

 
※借地権の3つのタイプ

タイプ 内容
一般定期借地権 借地期間50年以上。期間満了後は、原則として更新や建物の買取請求を認めず、借主は建物を撤去して土地を返還しなければならない。
建物譲渡特約付借地権 借地期間30年以上。期間満了時に土地所有者が 建物の買取を約束 するもので、買取時点で借地権が消滅する。
事業用借地権 借地期間 10年以上20年以内。事業用建物を対象とする定期借地権で、住宅には利用できない。2008年の改正で借地期間が最長50年まで延長。

 

借地人の悩み

 

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他方、借地人にとっても、地主と同じように現実は甘くはありません

借地を使用し続けているうちは平穏無事ですが、いざというときは次のように悩みを抱えることになります。

 

  1. 固定資産税や都市計画税などの税金の上昇は、地代の値上げにつながる。
  2. 借地期間満了時の更新料が高騰している。
  3. 建物の老朽化により建て替えようとしても、承諾料が高くなっている。
  4. 借地の使用用途の制限が厳しく、自由に用途変更ができない
  5. 建物を売却しようとしても、地主の承諾が必要なり、思うように売却できない
  6. 借地権そのものを売却することは可能であるが、それ相応のハンディを負うことになる。

 

6つの解決パターン

 

このように底地の地主と借地人は、ある意味1つの土地の共有者といえるような関係で、互いに自由の効かない財産を所有しているようなものです。

なぜなら、地主の所有する底地権借地人が所有する借地権が合わさって、はじめて完全な所有権になるからです。

このような状態を解決するには、最終的に「共有状態」から「専有状態」に換えなければ、本当の意味の解決にはなりません。

底地と借地権を価値ある財産に換える方法として、次の6つのパターンがあります。

 

  1. 借地人底地を買いとる
  2. 地主借地権を買いとる
  3. 地主と借地人がともに底地と借地権を第三者に売却する
  4. 底地と借地権を交換して互いに所有する
  5. 地主と借地人がそれぞれ単独で売却する
  6. 地主と借地人がデベロッパーなどと等価交換する

 

それではこの6パターンを一つずつ見ていきましょう。

 

1.借地人が底地を買いとるパターン

 

例えば、地主側に相続が発生した場合、相続税を支払う資金を確保するために借地人に底地を買いとってもらうパターンです。

地主側としては、相続税評価額以上で買いとってもらえば好都合で、相続税の納付資金の調達ができます。

場合によっては、地主は相続税を物納するのと損得を計算しながら、借地人に売却をもちかけることもあります。

借地人は、物納によって国が地主になるくらいなら、自ら買いとって借地権を所有権に切り替えようと考えることもあります。借地を買いとってしまえば、単独で売却することが可能になるからです。

買いとってすぐに売却する場合、貸地は短期譲渡になりますが、ほとんどのケースで売却益がゼロになり、課税されることはないでしょう。

なお借地権部分は、居住用や長期譲渡として譲渡所得税の軽減を受けられます。

 

相続税評価額(相続税路線価)

相続税評価額とは、相続税の税額を算定する基礎となる評価額です。

不特定多数が通行する道路に面する土地について、1m²あたりの価格で公表されています。

通常の相続税評価額は、公示地価・基準地価の8割程度になります。

道路に面する土地の価格のため「相続税路線価」とも呼ばれています。一般的に「路線価」という場合、この相続税路線価を示すことが多いようです。

2.地主が借地権を買いとるパターン

 

1のパターンの逆の場合です。

例えば、借地人が引っ越したり、相続が発生した場合。または更新料や建て替えの承諾料の折り合いがつかない場合に、地主が借地権を買いとるパターンです。

稀なケースとして、地代の支払いが滞り、借地の明け渡しを求められて売却することもあります。

いずれにしても、借地人側の事情により地主が買いとることになります。買いとることで完全な所有権になりますので、将来その土地を売却したり、物納することが可能になります。

借地人にとっても、借地権を現金化することができますので、メリットは少なくありません。

 

3.地主と借地人がともに底地と借地権を第三者に売却するパターン

 

地主・借地人双方の合意により、底地と借地権を合わせて第三者に売却するパターン。

完全な形の所有権を売却することになりますので、もっとも高く売却できます。

このパターンの最大の問題点は、双方の権利割合をどのようにするかです。

土地賃貸借契約の経緯や更新料の支払いの有無などを考慮して割合が決められることになりますが、1つの基準になり得るのが、相続税評価額の基礎となる路線価の借地権割合です。

「全国地価マップ」で相続税評価額を調べると、1m²単価の後ろに表示されるアルファベットが借地権割合です。アルファベットは次のパーセンテージを示しています。

A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%

例えば、借地権割合がD60%の場合、地主が40%、借地人が60%の割合になります。

いずれにしても、売却前に十分に話し合い、双方が納得する権利割合を決めておく必要があります。

 

4.底地と借地権を交換して互いに所有する

 

例えば、300m²の底地の場合で、仮に地主と借地人の権利割合がそれぞれ40%60%であるときについて考えてみましょう。

底地の所有権と借地権を交換し、地主が120m²の土地、借地人が180 m²の土地の所有権を取得するパターンです。

互いに不自由な財産を完全な所有権に切り替えられますので、かなりのメリットがあります。しかも交換が成立すれば、交換部分に譲渡税がかかりません

権利割合の調整のためどちらかが交換差額金を支払う場合は、交換差額金に譲渡税が課税されます。

このパターンを使うには、地形や道路付けなどで、うまく分割できる土地に限定される必要があります。しかし可能であれば、ぜひおすすめしたい解決パターンです。

なお3のパターンと同様、双方の権利割合をどのようにするかという難しい問題があります。

しかしこのパターンでは、資金が不要で交換により譲渡税が免除されるとなると、両者に相当なメリットがありますので、多少条件が折り合わなくても、互いの歩み寄りで何とか解決したいものです。

土地の分割にかかる費用、例えば、測量代、分筆登記の費用などは両者が折半し、不動産取得税や移転登記の費用などは借地人の負担になります。

 

5.地主と借地人がそれぞれ単独で売却する

 

例えば、借地人が引っ越したりして土地を離れる場合、地主の承諾を得て借地権を単独で売却するパターンについて考えてみましょう。

この場合買い手は、建て替えの承諾料や更新料の支払いなど、更地の購入と比べて煩わしい問題を抱えます。

そのため、特別にその土地が必要でない限り、安くないと買おうとしません

借地権を地主以外の第三者に売却するには、必ず地主の承諾が必要になります。承諾料は、通常借地権の売却額の10%程度といわれています。

逆に、地主が底地を単独で売却するパターンがあります。

この場合、借地人に対しては道義的な挨拶や報告は必要ですが、法的に借地人の承諾を必要としません

なぜなら地主が代わったからといって、借地人の権利が脅かされることはないからです。

しかし借地権を単独で売却するのと同様、底地を単独で売却するのはとても難しく、再開発地域などの特別な事情がない限り買い手がつかないと考えるのが賢明です。

底地の単独売却と同じ形態として、物納があります。地主が相続税の支払いのために底地を国庫に納めるケースです。

通常、相続税は現金で一括納付する決まりになっています。現金による一括納付が不可能で、かつ延納(分割納付)でも支払いが困難な場合に物納が認められています。

以前に比べると物納する人が増えているといわれています。売却価額から譲渡所得税を控除した手取り額が、相続税評価額よりも少なくなってしまうからです。

しかし、この場合も、物納されたからといって、借地権が脅かされることはありません。もし借地人が底地を購入したい場合は、国から地価公示価格を基準とする価格で払い下げを受けることができます。

 

6.地主と借地人がデベロッパーなどと等価交換する

 

例えば、デベロッパーが底地にマンションを建て、地主の底地権借地人の借地権をマンションの区分所有権と等価交換し、地主と借地人がそれぞれ完成したマンションの所有権を取得するパターン。

仮に土地の時価が1億円(権利割合は、底地50%、借地権50%)として、デベロッパーが1億円でマンションを建てた場合、合計2億円になります。

それぞれ提供した価額の割合、つまり地主と借地人がそれぞれ4分の1、デベロッパーが2分の1の持ち分で分けることになります。

この等価交換は、底地と借地権を効果的に分割し、所定の要件を充たせば、等価交換に譲渡税がかからないので、地主と借地人にとって大きなメリットがあります。

 

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