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借地の更新料・承諾料の相場等。借地人が支払わなければならない一時金とは?

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借地の更新料・承諾料の相場等。借地人が支払わなければならない一時金とは?

 

 

借地人が支払わなければならない一時金

 

地主が借地人に建物を建てる目的で土地を貸す契約を締結した場合、その後の事情で借地人が地主に対して支払わなければならない一時金が発生することがあります。

主な一時金を挙げると、次の4つが該当します。

  1. 契約期間満了時の更新料
  2. 建物の建て替えや増改築するときの承諾料
  3. 建物構造や契約期間の変更など、契約条件を変更するときの承諾料
  4. 借地権を第三者に売却するときの名義書換料

それぞれの一時金について、内容や相場を見てみましょう。

 

契約期間満了時の更新料

 

借地借家法には、借地契約の更新料についての規定はありません。

賃貸借契約書更新料が必要である旨を明記していれば、地主は問題なく更新料を要求できます。

しかし、明記されていない場合、いくら地主が要求しても、借地人が拒否すればそれまでということになりかねません。

ですが判例では、契約書に明記されていなくても、更新料の支払いを認めるものが多いようです。その理由は、

  1. 地代が低額な場合、更新料が地代を補充する役割があること。
  2. 地主が更新の異議権を放棄することに対する対価として、更新料が認められること。
  3. 借地人には、更新に関する訴訟回避の利益があること

などです。確実に更新料を受けとるには、賃貸借契約書に明記することが不可欠でしょう。いざ受け取れなかった時泣き寝入りすることになるかもしれません。

一般的な更新料の相場は、借地権価格の5%程度。東京・横浜地区では、若干高めで更地価格の5%程度です。

例えば、土地の更地価格が5,000万円、借地権割合がD60%の場合、借地権価格3,000万円(5,000万円×60%)。

更新料は150万円(3,000万円×5%)程度。

東京・横浜地区では、250万円(5,000万円×5%)程度が一般的な相場になります。

 

建物の建て替えや増改築するときの承諾料

 

土地活用、建物、建て替え

 

更新料と異なり、借地上の建物を建て替えたり、増改築する場合(契約条件に変更がない場合)、地主は必ず承諾料を受けとることができます。

通常、借地の賃貸借契約書には、建物の建て替えや増改築を行う場合、事前に地主の承諾を必要とする「無断増改築禁止特約」が付けられているからです。

 

借地上の自宅を賃貸併用に建て替えるには?

    目次1 地主の承諾が必要2 木造を鉄筋にする場合は契約条件の変更3 借地非訟手続き4 借地非訟の主な申立4.1 1.借地条件変更申立4.2 2.増改築許可申立4.3 3.借 ...

 

一般的に地代は、土地の資産価値に比べて著しく低い価格に設定されています。ですから、地主としては、借地権が早期に消滅することを期待しています。

借地契約に無断増改築禁止特約が付けられるのは、建物が朽廃した時点で借地権を消滅させたいとする地主の期待の表われだともいえます。そうであるならば、建て替えや増改築を承諾することは、地主の期待権が失われることになりますので、これを補填するものとして承諾料の支払いが必要になるわけです。

建て替えや増改築の承諾料の相場は、更地価格の3%~5%程度。幅があるのは、床面積が大幅に増える建て替えや増改築から一部の部分的な改築まで、様ざまなケースがあるからです。

例えば、土地の更地価格が5,000万円の場合、建て替えや増改築の承諾料の相場は、100万円~250万円(5,000万円×2%~5%)程度になります。

 

建物構造や契約期間の変更など、契約条件を変更するときの承諾料

 

例えば、建物の構造を木造から鉄筋コンクリート造りに変更する場合や、借地権の契約期間を20年から30年に延長する場合なども承諾料を受け取ることができます。

当初契約した条件を変更する場合、地主は承諾料を受けとることができるのです。

このように建物の構造などで借地人が大きな利益を得ることになる場合、利益の一部を地主に分与するものとして、またはより強固な権利が創設されたと考えられます。

そのため、一種の権利金として地主に承諾料を支払う必要があるわけです。

契約条件を変更するときの承諾料の相場は、更地価格の10%程度です。

例えば、土地の更地価格が5,000万円の場合、契約条件を変更するときの承諾料の相場は、500万円(5,000万円×10%)程度になります。

 

借地権を第三者に売却するときの名義書換料

 

借地人が借地権を他人に譲渡・転貸するときは、地主の承諾を得なければなりません(民法6121項)。

名義書換料は、地主が承諾を与える対価にあたるものです。民法では承諾料を必要とする旨の規定はありませんが、一般的に地主は譲渡や転貸に際して承諾料(名義書換料)を要求することが認められています。

後述する借地非訟においても、承諾料の支払いが認められています。

なお、相続の場合は、名義書換料は不要です。なぜなら、相続は譲渡に該当しないからです。

借地権を第三者に売却するときの名義書換料の相場は、借地権価格の10%程度です。

例えば、土地の更地価格が5,000万円、借地権割合がD60%の場合。

借地権価格は3,000万円(5,000万円×60%)で、借地権を第三者に売却するときの名義書換料の相場は、300万円(3,000万円×10%)程度になります。

 

借地非訟手続き

 

更新料や承諾料の金額が折り合わず、地主が承諾を拒否している場合、借地人は地主の承諾に代わる許可を裁判所に申し立てることができます。

いわゆる「借地非訟」と呼ばれている手続きです。

裁判所は、本来の訴訟手続によらず、簡易な手続で地主に代わる承諾を決定します。なお、借地非訟手続きについては、「借地上の自宅を賃貸併用に建て替えるには?」で詳しく解説していますので、参照してください。

 

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借地非訟手続きでは、当事者から事情を聴取し、鑑定委員会の意見を参考に最終的に承諾料が決められます。

参考までに、これまで東京地裁の借地非訟で取り扱った承諾料の目安を紹介しておきます。ただしこれは、あくまでも1つの目安であり、最終的にはそれぞれの事情に応じて金額が決定されることになります。

そもそも承諾料は、当事者間で合意すれば、いくらであっても構わないものなのです。

 

参考事例 承諾料の目安
①建物の増改築(全面改築)                     居住用: 3%程度
更地価格の  共同住宅:4%程度
事務所・店舗用:5%程度
②契約条件の変更(非堅固→堅固) 更地価格の10%程度
③借地権付き建物の譲渡 譲渡価格の10%程度

 

 

更地価格とは?

 

更新料や承諾料を算出する際、「更地価格」という用語がたびたび登場しますので、ここで解説しておきます。

更地価格は、「その土地を更地状態で売買する場合の実勢価格」であると定義できます。

それでは、「実勢価格」とは、いったいどのような価格なのでしょうか?

実は、土地には「一物四価」という言葉があるように、1つの土地に次の4つの価格が存在します。

価格の名称 内容
1. 実勢価格 実際の市場取引で形成される時価や相場と呼ばれている価格。
2. 公示地価・基準地価 「公示地価」は国土交通省、「基準地価」は都道府県が年1回公表する土地の価格。公示地価と基準地価は、すべての地域で公表されるものではなく、標準的な価格とされる標準地が抽出され、1m²あたりの価格で公表。
3. 相続税評価額
(相続税路線価)
相続税額を算定する基礎となる評価額。不特定多数が通行する道路に面する土地について、1m²あたりの価格で公表。通常は、公示地価・基準地価の8割程度。
4. 固定資産税評価額
(固定資産税路線価)
固定資産税額を算定する基礎となる評価額。相続税評価額と同様、不特定多数が通行する道路に面する土地について、1m²あたりの価格で公表。通常は、公示地価・基準地価の7割程度。

 

この4つのうち、更地価格には、実勢価格が使われるわけですが、過去の取引事例から得られる価格ですので、実状に一番近い価格(時価)といわれていますが、随時変動しています。

そこで、適正な実勢価格を算出するのに、よく用いられるのが、「鑑定評価額」です。

不動産鑑定士という国家資格を取得した専門家が、国土交通省の鑑定評価基準に基づいて厳密に評価した上で算出される価格です。この鑑定評価額がもっとも適正な土地の価格であるといわれ、不動産取引や投資の際によく使われています。

鑑定評価額

土地の4つの価格以外に客観的な土地の価格を知りたい場合、不動産鑑定士による鑑定評価がよく利用されます。

鑑定評価は、国土交通省が示す鑑定評価基準に基づいて厳密に評価されますので、合理的で適正な土地の価格であるといわれています。

鑑定できるのは、不動産鑑定士という国家資格を取得した専門家だけです。

不動産鑑定士による鑑定評価法は、次の3つがあります。

  1. 取引事例比較法
  2. 収益還元法
  3. 原価法

取引事例非核法

周辺の取引価格(事例)を参考に算出します。

評価対象の土地の固有事情を加味し、市場全体の動向や取引時期などを踏まえて調整を行った上で査定価格を算出する方法です。

不動産の鑑定としては、もっとも基本的な査定方法として使われています。

収益還元法

評価対象の土地が将来得られる利益と現在の価値を総合して「収益価格」を割り出し、査定価格を算出する方法です。投資不動産の価格査定によく使われています

収益価格を算出する方法として、「直接還元法」と「DCF法」の2つがあります。

直接還元法とは、通常1年間に見込める利益を還元利回りで割って収益価格を算出する方法です。

例えば、借地料:1,200万円/年(100万円×12月)、経費:200万円/年、還元利回り:5%の場合

収益価格=(1,200万円‐200万円)÷ 0.05 2億円

DCF法とは、「Discounted Cash Flow」の略で、将来得られる利益と売却時の予想価格を「現在の価格」に割り引き、その合計額を収益価格とする方法です。直接還元法よりも予測の精度が高いと評価されていますが、複雑な計算式が難点です。

原価法

原価法は、建物の査定価格を算出する際によく使われている方法です。

評価対象の建物を仮にもう1度建築した場合の原価を割り出し、築年数により低下した価格を修正し、現時点での価値を推定する方法です。

建物の査定価格=再調達価格-減価修正

例えば、構造:木造(法定耐用年数:22年)、築年数:11年、延床面積:100m²、再調達価格:20万円/1m²の場合

建物の査定価格=20万円×100m²×(11÷22)=1,000万円

その他四つについては、「土地の価格・値段はどう調べる?」で詳しく解説していますので、ご参照ください。

 

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