アパート、マンションの賃貸経営を考えているのであれば必見です。
相談は、不動産会社なのか?建築会社なのか?正解をお伝えすると、間違いなく不動産会社です。
あなたの経営が失敗しない為の要因は、入り口で決まってしまうと言っても過言ではありません。
本記事を是非とも参考にしていただければと思います。
この記事でわかること
- 相談先の正しい選び方
- 購入前に考えておくこと
- どのような物件を建築購入するべきか?
目次
マンション・アパート経営をする場合は専門家のサポートを受ける
土地活用などでマンションやアパート経営を始める場合は、専門家のサポートを受けることも検討するといいでしょう。
一軒家やマンションを売買する際には、プロである不動産仲介会社と相談をしながら進めるのが一般的です。
不動産仲介会社はプロなので、さまざまなアドバイスを受けることができます。
しかし、マンションやアパートの賃貸業を始める際は、プロのサポートを受けない人がほとんどです。
賃貸も売買同様、さまざまなメリットがありますが、リスクもあります。
数千万円〜1億円以上もの資金を投じて賃貸業をスタートさせるわけなので、プロからのサポートを受け、少しでも成功確率を高めることが重要です。
冷静に考えれば、賃貸業は、まったくの素人がいきなり数千万円以上の大金をかけて投資をするわけですから、非常にリスクが高いわけです。
- どんな物件を建てればいいのか?
- 資金はどう捻出するのがいいのか?
- ローンの選び方は?
- 建築会社はどこがいい?
- 管理会社はどこがおすすめ?
- 間取りはどうしたらいい?
など、決めるべきことはたくさんあります。
賃貸業は何十年とやっていくものなので、しっかりとプロのサポートを受けながら進めるようにしましょう。
他人事ではなく自分事
建築会社の営業マンから提案を受け、建てる賃貸物件を決定することは珍しいことではありません。
不動産投資会社など営業しているところは多く、利回りの高い物件を提案してきます。
そして、賃貸物件を建てることが決まれば、不動産会社指定の建築会社が工事を行います。
オーナーからすると「建築のことはわからない」「あとは任せておけばいいだろう」と考え、余計な部分にはタッチせず進めようとするでしょう。
しかし、いくら不動産会社の提案を受けて始める賃貸業だからといって、建築会社にすべてを任せきりにするのはよくありません。
建築会社は、マンションやアパートを建てることのプロではありますが、賃貸業や相続などに精通しているわけではありません。
まるで他人事のような関わり方ではなく、大金を投じている大事な資産であることを自覚し、積極的に関わっていくようにしましょう。
スタートする前にあらゆることを想定する
マンションやアパート賃貸業を始めるきっかけが相続税の節税であったとしても、やるからにはしっかりと計画を立ててスタートしないと、多くの借金を背負い破産してしまう可能性があります。
そうなれば、相続した不動産や現預金、株式なども手放すことになってしまうため、マンション・アパート経営を成功させなければなりません。
そのためにも、20年〜30年など、長期スパンで収支計画を考えることが必要です。
周辺の物件の家賃相場や入居率、エリアの人口増減状況、街の発展などを調べ、本当にこの場所でやっていけるのか、どんな物件であれば長期的に継続して収益が出せるのか、徹底的に考え抜きます。
そして、想定される家賃収入からローン返済額や管理会社への手数料、経費などを差し引きどれくらい残るかをシミュレーションします。
この際、周辺状況を確認してリアルな入居率で考えることが大切です。間違っても100%で計算しないようにしましょう。
また、これらのシミュレーションで黒字化していても、10年後や20年後は状況が変わります。
そもそも、エリア自体の人口減が続く場合は需要自体が減ってしまいます。
さらに、家賃収入や入居率が変わるだけでなく、部屋のリフォーム費用などもかかりますし、地震や台風など自然災害の被害に遭い、突発的にまとまった修繕費が必要になることもあります。
このように、さまざまなことを考慮したうえで長期的な計画を立て、それでも黒字で運用できる状態をつくっていなければ、途中で破産してしまいます。
賃貸業は、1度スタートをすると途中で軌道修正が難しいものです。
だからこそ、スタート前までにプロからのアドバイスも受け、徹底的に考え抜く必要があるのです。
収支が合うことを確認
前述のとおり、マンション・アパート経営を始める場合は、事前に想定されるリスクを洗い出し、長期的に黒字化できるよう、徹底的に考え抜いて計画を立てることが重要です。
もちろん、賃貸業が成功すれば相続税の負担が軽くなるだけでなく、長期にわたり継続して家賃収入を得ていくことができます。
毎月数万円〜数十万円の家賃収入が入ってくれば、生活は相当楽になります。
しかし、賃貸業は必ずしも成功するわけではありません。
事前のシミュレーションの精度が低いと、常にキャッシュフローがマイナスとなる物件になる可能性もあります。
マンション・アパート経営の場合、毎月の収支が3万円のマイナスだとしたら、プラスにするためには家賃や入居率を上げるか、経費を下げるかしか方法がありません。
急に家賃を上げることは難しいですし、入居率を上げることも容易ではないことです。
また、管理会社への手数料や管理費、修繕積立金、ローン手数料などの経費を下げることも難しいです。
途中で収支状況を改善させるのは、とても難しいため、精度の高いシミュレーションが必要になります。
賃貸業を始めるのであれば、収支が合うことが絶対条件です。
ここを蔑ろにしてしまうと、取り返しのつかないことになります。
マンションやアパートなど賃貸物件を建てる目的が節税だけにならないようにしましょう。
表面利回りでシミュレーションをしないこと
マンションやアパート経営には「表面利回り」という指標があります。
表面利回りとは?
「想定年間家賃収入÷購入価格」で算出されます。
不動産投資会社に提案を受ける物件情報は表面利回りが記載されていることも多いです。
物件の収益性を表す便利な数値ではありますが、実態とは大きくかけ離れているケースもあるため注意が必要です。
なぜなら、表面利回りには、経費などが計算に入っていないためです。
そのため、実際の利回りは表面利回りよりも低くなります。
例)
しかし、コストを考慮して計算する場合は、利回りは大きく下がります。
経費なども考慮した利回りは「実質利回り」といいます。
実質利回りとは?
不動産投資会社から提案を受ける場合は表面利回りの可能性もあるため、コストも考慮した実質利回りで収益性を考えるようにしましょう。
表面利回りでシミュレーションをしてしまうと、実際に賃貸業をスタートしたときに後悔することになります。
同じ条件で人によってシミュレーションは異なる
マンションやアパート経営のシミュレーションは、人によってどこまでを範囲にするかが違います。
たとえば、家賃に関しては「想定」家賃収入をエリアの相場などから算出するわけです。
どれだけ厳しい基準にするか、どれくらい楽観的・悲観的に見るかでまったく異なる数字になります。
また、どれくらいの期間で考えるかによっても変わってきます。
30年の計画を立てる人もいれば、40年や45年のシミュレーションを考える人もいます。
他にも、入居率やメンテナンス費用、リフォーム費用など、さまざまな費用をいくらに設定するのかはその人によります。
そのため、楽観的に考え、最もらしい黒字シミュレーションを立てることも可能です。
しかし、理想でつくられたシミュレーションは何の役にも立ちません。
計画を立てた自分は安心するかもしれませんが、実際に賃貸業をスタートすると理想のシミュレーション通りにはいきません。
とても見栄えの良いシミュレーションを立てることはできますが、そんな計画を立てても誰のためになりませんので、冷静に厳しめの範囲でシミュレーションを立てるようにしましょう。
「ただ賃貸物件をつくります」では成功しない
「とりあえず、マンション・アパートを建てれば人が集まるだろう」と安易に考えているようでは賃貸業は成功しません。
都市部・郊外どちらもたくさんの賃貸物件があり、賃貸に住む人たちも目的を持って住んでいるケースが多いです。
何も考えずに賃貸物件を選び、住み始める住人はほとんどいません。
目的別の物件探し例)
- 通勤しやすいように最寄り駅から徒歩5分以内の物件がいい
- 新婚生活を送る家なので分譲並みの設備が整っている部屋を探している
- 小さい子どもがいるのでスーパーや学校が近い物件を探している
- 女性の1人暮らしなので周辺が明るく治安が良いエリアがいい
- 荷物が多いのでウォークインクローゼットがある部屋を希望
- 高齢なので利便性が良く駅やバス停に近いアパートを探している
など、ハイグレードの物件を探している人が多いエリアに、ローコストのマンションやアパートをつくっても、なかなか人は集まらないでしょう。
収益性の高い賃貸物件をつくるには、感性やセンスも必要ですし、そのエリアのニーズを汲み取ることも大切です。
どんなエリア特性があるのか、どんなニーズを持つ人たちが多いのか、どのようなデザイン・設備であれば満足度が高いのかなど、クオリティも収益性も高い物件になるように考えましょう。
楽しみ・こだわりを持って賃貸物件を建てる
「どうせ自分は住まないから業者に任せよう」と考えるのではなく、「自分が住みたいと思うような物件をつくろう」「自分の家のようにこだわって建てよう」など、オーナー自身も楽しみながらマンション・アパートづくりをすることは大事なことです。
「楽しくない」「こだわりがない」「何でもいい」のような無関心な状態で賃貸物件をつくっても、よほどセンスがある人以外は成功しないでしょう。
オーナー自らもこだわり楽しむことで、細かい部分までチェックするようになります。そうすればシミュレーションの精度も高くなるでしょうし、賃貸物件も他より魅力的なものができるでしょう。
投資家がどれだけこだわれるかで、投資成果は変わってきます。
自分には関係のないような姿勢で臨むのではなく、真剣に向き合いながらも、楽しみやりがいを持って賃貸業に取り組むようにしましょう。
そうしなければ、賃貸物件を建てたとしても、満足のいく収益は出せません。
もちろん、エリアのニーズもあるため、すべてが自分の納得できるような物件にはなりませんが、自分が住みたくなるような物件を目指してみるといいでしょう。
自己主張が強くなりすぎないようにバランスは大切ですが、自ずと良い物件ができる可能性は高くなるでしょう。
土地活用プランナーの体験談
不動産投資は、決して難しい投資ではありません。
私も自分で不動産物件を所有し、わずかですが運用を行っています。
私が関わったお客様が、どのように物件を運営し、どのように収益を上げていらっしゃるかというアドバイスを間接的にさせていただくことも度々あります。
その経験の中でも、不動産投資で成功されている方に通じているのは、やはり勉強熱心だということです。
不動産物件の運営というと不労所得と思い込み、とりあえず物件を買えば後は勝手に管理会社が運営してくれる、客付を行ってくれるとタカをくくっている方もいます。
そのような方は、あまり不動産投資で成功している印象はありません。
たとえ一部屋しか持っていなくても、熱心に客付けのことを考えたり、競合物件との差別化を考えている方は、数年で不動産物件を立て続けに購入し、専業投資家として飛躍されている方が多いです。
また自分の頭だけで考えるのではなく、積極的に本を読んだり勉強会に参加して仲間を作るなどして、投資で相談できる相手を見つけていくことも重要だと感じます。
他の不動産投資家をライバルと考えるのではなく、切磋琢磨する仲間と考えることで、より不動産投資での成功の道へ近づいていくのではないでしょうか。