
様々なポイントが挙げられますが、中でも次の5つの視点がとても重要です。常にこれら5つの視点を意識しならが土地活用を考えるようにすれば、それだけ成功する確率は高くなるでしょう。
土地活用を始めるきっかけの多くは節税対策ですが、土地活用の効果は節税に限られたことではありません。むしろ収益性に重点をおいた方が良いケースもあり、多角的な視点で土地活用を考える必要があるのです。
目次
1.投資分析の視点
土地活用、中でももっともポピュラーなアパート・マンション経営を始めようとすると、多額の投資が必要になります。
自己資金で賄えない場合は、金融機関などから資金を借り入れ、多額の借金を抱えることになります。そのため始める前に十分に投資分析を行い、確実に収益が見込めるかを正しく判断しなければなりません。
収益性を表わす指標として「利回り」があります。
利回りとは、利息・利益配当の、元金に対する割合で、投資した金額に対する収益を一年間あたりの平均にした数字のことです。
これは1つの目安になるものの、この数値だけで単純に判断できるものではありません。利回りを過信したために失敗するケースさえあります。収益性は、詳細かつ綿密に分析する必要があるのです。
注意ポイント
投資分析では、収益性にとどまらず、投資した資金を回収するにあたっての安全性を見極める必要があります。収益性が高くても、それに応じてリスクも高い事業は、土地活用に適した事業とはいえません。
なお、投資分析の1つの手法としてキャッシュフローツリーを用いる手法があります。これについては、「キャッシュフローツリーを用いた投資分析」で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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土地活用には投資分析が不可欠!キャッシュフローツリーを用いた投資分析
目次1 土地活用には投資分析が不可欠2 キャッシュフローツリーとは?3 実際にキャッシュフローツリーをつくってみる4 キャッシュフローツリーによる投資分析5 収益性を見る指標5.1 1.ローンの返済率 ...
投資分析の甘さから不動産投資に失敗した事例

30代のサラリーマンのお客さまで、賃貸物件を購入して運用する不動産投資を副業としている方でした。
最初と2つめに購入した物件はうまくいったのですが、全てが順調にいくわけではなかったようです。
3つめに東北の岩手県にある築20年のアパート3棟を購入しました。1棟2,000万円、合計6,000万円を全額ローン。
田舎町で土地が安く、築20年で建物の減価償却はほとんど終わっているため購入価格はかなりの安値。
標準の賃料相場が月額4万円で、単純利回りは20%。一見すぐに投資額を回収できるように思える物件に飛びついてしまったのです。
当然のことですが、田舎の立地が良くない物件では、入居者が思うように集まりません。それに加えて築20年の木造2階建てアパートの老朽化が進み、至るところで雨漏りが起こり、防水工事などの修繕費が1棟につき300万円~500万円かかることが判明しました。
修繕費の資金繰りに頭を悩ましているうちに大半の入居者に退去されてしまい、収入が大幅に減り、二進も三進もいかなくなって当社に駆け込んできました。
古いアパートを建て替えるのが最良の対策ですが、それには巨額の投資が必要で、ローン返済に迫られている現状では、新たに融資を受けることもできず、最終的に売却するしか対策はありませんでした。
このケースは、目先の利回り20%に惑わされ、きちんとした投資分析を行わずに購入してしまったことが一番の敗因です。このような状態に陥ると、持ち続ければ続けるだけ赤字が膨らむことになり、たとえ投資額が回収できなくても売却するしかありませんでした。
減価償却:賃貸アパート経営では、高額な資金を調達して建物を建てますが、この建物や設備は経年とともに劣化したり、価値が下がってきます。定期的なメンテナンスを施し、長もちさせることはできますが、いつかは使いものにならなくなります。
この経年とともに価値が下がっていく分を経営上1つの経費として計上する。言い換えれば、投資した資金を一定の年数をかけて回収しようとするのが「減価償却費」です。
2.市場分析の視点
多額の資金を投資してマンションを建てても、入居者が集まらなければ、マンション経営は成り立ちません。
いくら素敵なマンションであったとしても、その場所に暮らす人びとのニーズに合っていなければ、入居者は振り向いてもくれません。土地活用を始める場所が、ファミリー層が多いのか、それとも単身者層が多いのか、市場調査を行ってはじめて分かることです。
入居者が賃貸住宅に求めるものは、ファミリー層と単身者層とでは大きく異なります。
周辺の賃貸状況、自然環境、生活関連施設、教育・医療・公共施設などを入念に調査し、ターゲットとすべき入居者層を見定めた上で、その入居者層に好まれる広さや間取り、設備などを完備する必要があります。
そのためには市場調査が欠かせません。
市場分析を怠ったために土地活用に失敗した事例

神奈川県の茅ケ崎のお客さまで、5年前に自己所有の土地にワンルームを中心にしたアパートを5棟建てて土地活用を始めました。
土地活用の狙いは相続税対策。
新築当初は順調でしたが、5年後に空室率が4割近くになってしまい、当社に駆け込んできました。
空室が増えた原因を調べてみると、アパートの立地が悪く、駅からバス便で20分。設備も古くなり、競争力が落ちていました。
市場調査で判明したことは、周辺の賃貸状況はファミリー層が中心で、単身者層用のワンルームの需要はほとんどありませんでした。そもそもワンルームを中心にしたことに無理があったようです。
このままでは、さらに空室が増え、収益がますます落ちてしまうので、ファミリー層型に全面改修することを提案しましたが、これ以上投資額を増やしたくないという意向で、最終的に5棟すべてを売却することになりました。
土地活用を始める前に市場分析を正しく行っていれば、このような事態は避けられたはずです。
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今、あなたがこのページをご覧になっているということは、「 土地 」についてお悩みを抱えているということだと思います。土地というのは資産の一種ですから、資本・労働・経営と並び付加価値を生み出す生産要素として捉えていた方が多いのではないでしょうか。 ですが、実際に土地を所有すると様々な問題や悩みが生まれますよね。こういったお悩みをもっている方も多いのではないでしょうか。
- 現在土地を持っているが 何も活用できていない
- 今後土地を相続するが 相続税 が心配
- 所有している・相続する土地が 田舎 にある …etc
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3.ファイナンスの視点
手持ちの資金でアパートやマンションを建てて土地活用を行うことが理想的ですが、多くの場合、それが難しく、金融機関などから融資を受けることになります。
融資を受ける場合、
- 借入金をいくらにするか
- 借入期間をどのぐらいにするか
- 固定金利・変動金利のどちらの金利のタイプを選ぶか
これらによって、ローンの返済計画に大きく影響します。借金はなるべく早く返したいと思うのはもっともなことですが、賃貸住宅の安定経営を図るには、無理のない返済計画を立てたいものです。
一般の住宅と異なり、賃貸住宅は収益を目的として建てますので、土地や建物に担保価値があれば、100%ローン、つまり建築資金の全額を借入金で賄うことも可能です。
相続税対策として団信加入は不要
管理人相続税対策として土地活用を行うために金融機関から融資を受ける場合、ファイナンスの視点から1つアドバイスします。通常金融機関のローンを組むと、団体信用生命保険の加入をすすめられます。
この「団信」と呼ばれる保険は、ローン契約者が死亡や高度障害状態になったとき、ローン残額を肩代わりしてくれる生命保険です。これに加入しておくと、ローン返済期間中ローン契約者に万一のことが起こっても安心です。
しかし相続税対策としてローンを組んでいる場合は、団信には加入しない方が良いのです。なぜならローン残額が肩代わりされると、節税にはならないからです。
団信の加入には保険料がかかりますので、加入しなければ、無駄な出費を抑えられるメリットがあります。それでも万一のときが心配な人には、団信の代用として普通の生命保険に加入することをおすすめします。
4.財産継承の視点
2015年1月の税制改正で、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられました。
これによって相続税を申告しなければならなくなった人が急増したといわれています。従来相続税は一部の富裕層が支払う税金というイメージがありましたが、今ではすっかり身近な税金になってしまったようです。
このような状況に対抗するために、相続税対策としてどのような建物を建てれば良いのかを逆算して考える土地オーナーが増えています。
確かに現金や土地のままでは多額の相続税を負担しなければなりません。
かといって、闇雲に現金や土地をアパートやマンションなどの賃貸住宅に換えてしまえば良いというわけはありません。財産が子孫に継承される以上、どのような形の財産で残してあげることが、子孫にとっても良いのかも考える必要があるのです。
5.節税の視点
節税対策としてアパートやマンションなどの賃貸住宅を建てて土地活用を行う場合、どのような建物を建てれば、もっとも効果があるのかを入念に検討する必要があります。
中でも不動産所得を算出する上でポイントになる減価償却費などの必要経費を想定して、
- 建物構造
- 間取りや設備
- 管理体制
などを検討する必要があります。
節税効果を最大限に発揮させるためには、確定申告の際、白色申告でなく青色申告をした方が良い場合があります。
青色申告・白色申告のそれぞれのメリットを比較してまとめた表が以下です。
区分 青色申告 白色申告 事前の届出 必要 不要 特別控除 事業的規模の場合、複式簿記の採用で65万円の特別控除が必要経費に計上できる。 なし 専従者給与 事業的規模の場合、青色専従者給与として全額必要経費に計上できる。 配偶者は86万円、それ以外は50万円まで必要経費に計上できる。 損失の繰越 損失を3年間繰り越すことができる。 不可
事前の届出手続きや帳簿の記帳義務などが課せられますが、損益通算の繰り越しや専従者給与が認められ、白色申告よりも大幅に有利になります。
さらに個人でなく、法人を設立して土地活用事業に取り組んだ方が効果的な場合もあります。
税金に強くなることも、土地活用を成功させるためには必要なことではないでしょうか。
土地活用は長期的に考える
管理人2年前にコンサルティングしたお客さまのケースを紹介します。山梨県の甲府駅から車で20分の土地活用の相談を受けました。狙いは節税対策。
所有する土地は駅から離れていましたが、周辺にファミリー層の賃貸住宅の需要がありましたので、駐車場付きの2LDKのアパートを建てることになりました。
一般的にアパートを建てる場合、耐用年数が短い木造が好まれる傾向があります。早く減価償却ができることで、節税対策として効果があるからです。
そのお客さまも、どこかでそれを聞いていたのか、木造2階建てを希望していましたが、こちらからは、3階建ての鉄骨造りを提案しました。
費用は嵩みますが、部屋数を多くとれることと断熱性・遮音性に優れているため入居者に好まれるからです。
耐用年数が長い分、長期的に見ると木造よりも収益性が高くなるのです。もちろんお客さまは私の提案を受け入れてくれました。